2013年12月3日火曜日

面白さの可視化

SDM研究科では特別講義が金曜日の夜にあり、各界のプロを教員が呼んで話をしてもらっています。12/1日曜の午後は、再び、研究科で大人気のH口氏の講義でした。

印象に残ったのは、やはり面白さの可視化。バイアスを可視化しシフトするため、フレームワークをダイナミックに変更、進化させる事。また、前回も言及されていましたが、コンセプトプロジェクトの初期の情報のない段階で、脳みそを使って一気にアイディエーションを行う事。双方ともHowの面では戦略コンサルでも結構やっている(構造化、ゼロベース思考)と思いますが、原理原則に従いアイディアではなくロジックを研ぎすます(宝探しをやらない)点で、デザインコンサルとの目的(Why)の違いがあると言えます。

また、採用の方法も非常に参考になりました。90分間の最初の10分、最後の10分で面接者の知っている事の構造化ロジカルシンキングを試します。その間の70分のストレス面接でロジカルと直感力の確認を身近な問題(フェルミ問題)を通じ、地頭の確認とコンサル力をシミュレーションします。


私は予定があり、その後の食事会に行けませんでしたが、どんな会話があったんでしょうか。

2013年9月24日火曜日

デザインプロジェクト

SDM研究科の目玉の1つは半年間のデザインプロジェクト。博士課程は必須ではないのですが、デザイン思考を手中して経験するべきと思い履修しました。街づくり、製品サービス、金融関係等のプロポーザーから課題をもらい、方法論やツールの学習も並行した半年間のプログラムです。私は某製造業大手から美と健康に関する製品・サービスのアイディア出しと設計を選択しました。

方法論としては「デザイン思考×システム思考」。デザイン思考を通して、アイディアの発散、収束、プロトタイプによる検証を実施します。同時にシステム思考で、ユーザー、ステークホルダー、メーカー、社会を俯瞰し、それぞれの要素のつながりを分析する「木も見て森を見る」ことを実践します。修士学生は並行して、システムズエンジニアリングの授業も履修しており、Vモデルと混同した学生もいたようです。

先日最終発表(プレゼンテーション)があり、メンバ2名との連日の徹夜作業もあってか、「ユーザー」賞をいただきました。8月までは所謂ものづくり中心というか、テッキーなアイディアで、プロトタイプも作成できずに困っていたのですが、ユーザーへのインタビューを通じ気づきをまとめて、「奇をてらっているが、考えられた」アイディアと設計に近づいたのではないかと思います。



私はアイディア出しに当たり、仮設思考とは一味違うアイディアの生みの苦しみを味わいました。9月はあまり寝てなかったので、当分は体調を整え、10月中旬のレポート提出まで走りきりたいと思います。

2013年9月2日月曜日

社会システムのシステムズアプローチ

土曜日の午後の授業は保井先生による「社会システムのシステムズアプローチ」です。霞ヶ関にお勤めですが、慶應にはご本人曰く無給で講義やワークショップをしていただいて頭が下がります。ものすごく賢く、本業ではおそらく厳しい方かもしれませんが、学生にはものすごく気さくに接してくれます。協創力をベースとしたシステムズアプローチを標榜されており、本講義ではそのような人とのつながりを生かしたイノベーションが社会システムの分野で一貫しています。というか企業より複雑な、社会システムですし、そういうところでシステムズアプローチが役に立つのでしょう。
価値協創
サービスドミナントロジック
ナレッジマネジメント
Whole Systems Approach
実はこの辺は日本はできているような気もするのですが、サイロになって利権が絡んでいるところは下手な気がします。それが震災の原発の対応のどたばた。ああいいった複雑なリスクの連鎖への対応はクロスファンクショナルなマネジメント戦略と、実際に起きた場合の対応のダイナミクスをシミュレーションすることが大事なはずです。地震国日本はそれを年がら年中やって、脳みそを鍛えているチームがあってもいいはずです。それができている新幹線、できていない原発。。なにがちがうのでしょうね。
保井先生の他、ケンブリッジ大卒のヒジノ先生も同授業の講師です。ヒジノ先生は効率とか公平性の観点でシステム評価をされ、タッチーな日本のシステムを評価するイングリッシュと言う感じで対照的でしたね。政治システムの議論で、参議院はいらないじゃんって感じでした(英国にも貴族院あるでしょ)が、私的には合理化反対、ムダ歓迎。ちょっとぐらい無駄がありうだうだ井戸端会議をしているぐらいが、SDM的です。でもまぁ、いろんな考え方をぶつけあって価値協創する、そんなおおらかさが私にも必要かなと思いました。

2013年8月26日月曜日

県立福島高等学校

5月は有休をとって県立福島高等学校にワークショップのお手伝いをしに行きました。文部科学省と独立行政法人科学技術振興機構によるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の活動の一環で、今年は2回目。今回は午前、午後に分かれて約640名のワークショップです。SDM側は教員、学生含め10名ほど。「人のアイディアに乗っかろう」「友達の意見に、いいね」「質より量」お題は学園祭などですが、みなさん予想以上に呑み込みが早く3時間程度でアイディアがどんどん出てきました。発表もみなさんの意思が入っており素晴らしいものになりました。このようなワークショップを生徒会がやるようになったとも聞いており、なにか残せたのかなと。



あたりはまだ放射性物質がのこっており、放射線量は東京よりも当然高いです。ワークショップでは東電への要望もあり、2年以上たった今も震災は続いている印象を持ちました。私は現地の震災関連ボランティアを結構やってきたのですが、今回は特に、福島第一原発が発電した電力を使用してきた首都圏から来た我々を受け入れてくれた福島高校に感謝です。今回お会いしたようなOpen Mindedな若い人が新しい福島と日本を創造できるようになにかしてあげたい、残したいと感じた12日となりました。

2013年8月22日木曜日

Buzzワード

春学期の金曜夜はSDM特別講義といって、巨大で複雑な現代のシステムに挑んできた各界の第一人者を塾内外から招いて、多様な視点から様々な物事を捉える講演。毎回講義の講師は以下に公開されています。

福沢諭吉研究からはじまり、原発、農業、ろう学校など、上記にあまり関係なさそうなテーマ含め、結構ためになることがきけたのですが、7月はまた体調を崩しさぼっちゃいました。でも、講演は録画されており、E-learningシステムで視聴できます。

前半の記憶に残った講義はイービット遠藤 直紀 氏とZibaの濱口 秀司 氏。前者はユーザビリティ、後者はイノベーションを考え抜いたビジネスパーソン。学問的な話は別として、P/Lを背負ったプロの話は教員、社会人、新卒ともにインスパイヤされる事があります。以下は遠藤氏の講義の備忘録。
  • 現在の日本は「ベストバリューストラテジー」という製品中心の考え方に傾倒しており、今後は成熟市場のもと「顧客(ユーザー)中心」に更に注力すべき。
  • インターネットが普及し、マスメディアに見られる「統制」や「情報の非対称性」が自由競争下のもとでは解消されつつある。 
  • ユーザーの思いをユーザビリティにつなげるあたり、行動観察(オブザベーション)が意見収集よりも効果的で、観察の対象は、SONYのウォークマン、HONDAのバタバタの例を見ると、「身内」や「社内の仲間」を含めた「誰かの役に立ちたい」という意志が重要。
  • 上記は一人だけでやるのではなく、チームとして「団結」し、ユーザーへどれだけ「共感」できるかがキーポイントとなるとともに、イノベーションの源泉となる。
  • シナリオ仮説を確認する上で、シナリオ→プロトタイプによる刺激注入→行動観察は3回まわすことが効果的。
「イノベーション」、まさにBuzzワードですね。濱口氏の定義によると。見たこと聞いたことがない、実行可能である、議論を生む。ケンブリッジ留学時は商業的に成功したインベンション(発明)と自分定義していましたが、こちらに乗り換える事にしました。イノベーションを「実行」できる人材像とはどのようなものなのでしょうか。

2013年8月21日水曜日

インテリジェンスシステム論

春学期の木曜日の夜は手嶋龍一先生によるインテリジェンス・システム論
手嶋先生は元NHKワシントン支局長で、9.1110日間の連続報道で有名です。
最近は朝のワイドショーでもたまに見かけます。(あまり楽しそうでないですが)以下は昔の講演の案内。ジャーナリスト的な巧みな語りと各国との要人との高い視点はさすが、カミソリのような切れ味の講義です。

インテリジェンスとは周到な分析と、全体像・複雑なメカニズムを
ふまえたリーダーの意思決定のための情報です(ナレッジではない)。
企業でいうと他社の製品開発情報とか競合戦略の事前の察知があげられ、
最近ではサイバー攻撃の問題とリンクがありそうです。

インテリジェンスライフサイクルとは意思決定者(カスタマー)のRequirementに基づき、情報収集、情報分析、情報精査の後、カスタマーにインテリジェンス(戦略的判断材料)が提出され、さらに精査されたカスタマーのRequirementに基づき精選されたインテリジェンスを通じ決定的な決断を促しいく一連のサイクルを指します。授業ではキューバ危機、福島第一原発事故、尖閣問題、オサマ・ビンラディン殺害計画等の歴史上のイベントとワークショップを通して学びます。木曜日はPMIのスタディグループもあり、だいぶ休んでしまい残念。。

日本では、安倍内閣念願の国家安全保障会議(日本版NSC)が設立されそうです。テロや武力攻撃といった有事に際し、官邸主導で情報を集約し、総理、官房長官、外務大臣、防衛大臣の4人が基本メンバーとなり、迅速に対処することができることを意図していますが、インテリジェンスライフサイクルが基盤となります。

そのようなインテリジェンス組織は企業にもあり、コンペティティブインテリジェンスと呼ばれています。中国企業では7割を超えるとのこと。いつかそのような組織を設計・リードできるとよいと思っています。

2013年8月20日火曜日

マシュマロチャレンジ

SDMとは簡単に言うと、システム思考+デザイン思考+プロジェクトマネジメントです。SDMは大規模複雑なプロジェクトをデザインし、プロジェクトをマネージできるグローバル人材を慶應が創出するべく設立されたと元塾長の安西先生からきいています。確か、マスター1年は50人程度、ドクター1年は5人程度です。SDM学とは?システムエンジニアリングとの違いを学ぶ、イントロ的授業がSDM序論という講義。春学期は毎週土曜日の午前9時からありました。講義と言っても、ワークショップが中心の授業で、マシュマロチャレンジなどのグループワークを通して気付きを与える事が狙いです。

マシュマロチャレンジでは制限時間内でスパゲッティと紐で頂点にのせるマシュマロの高さを競います。設計が重要なのは、本職のプロジェクトマネージと一緒で、システムエンジニアリングにおけるVモデルの左上部、要求分析及び設計フェーズを6,7月にかけて学びます。また、1回目のチャレンジをLesson Learntにつなげ、Fail Firstで改善につなげる事も学びます。このマシュマロチャレンジ、各国でやられて統計も取られていて、成績が悪いのは自己完結型のPersonal Goalをもったメンバーが多かったMBAチームらしい。。また成功のインセンティブを与えると、メンバーが焦りすぎて平均成績は悪い結果になるとのこと。

以下はマシュマロチャレンジじゃなくて、その前にやった紙を使ったタワー作成。理系的な設計力が功を奏し、一応優勝(自己満足)。

SDM研究科は自由闊達なオープンUpを重んじているのはいいのですが、理論物理をやっていた(四苦八苦していた)私からするともっと、学問・研究体系に深みをもたせ、グループワークの後にプロや教員の目からみた講評があると学生的にしっくりきます。が、過去にとらわれてせっかくの学びを制限しないように注意しなくてはいけませんね。